安全機能を持った包装

アルミ製PPキャップが開発され普及したのは、アメリカで高級ウィスキーを瓶から抜き取って安物にすり替える盗難が続いたからだと言われています。医薬品の風邪薬に異物を入れた事件も発生しました。

日本でも、異物をお菓子に混入する事件が発生し、いたずら防止包装が必要となりました。イタズラを完全に防止するのは、とてもむずかしいことです。ガラスや金属の容器に入れて、密栓や二重巻き締めした包装といったことをしなければなりません。

どんなに工夫した容器でも、容器自体を別のものと交換されてしまうと、防ぎようがありません。そのため、完全なイタズラ防止というのは包装だけでは不可能であり、管理状態などと合わせての対策が必要です。

商品の種類や陳列によっては、視認性をもたせることでの安全を図ることができるかもしれません。例えばそのまま棚に並べるよりも、透明で商品の状態を確認可能なOPP袋に並べたほうがよいこともあるでしょう。

トラブルを防ぐための包装を考える

通常の食品包装容器は完全に密封されています。注射器で異物を入れるといったことがあれば別ですが、包材を通過して内部に異物を入れることは厳しいでしょう。

とある異物混入事件の際も孔の有無が問題になりました。孔がない場合は、製造のときに混入されたと想定することができます。イタズラであったら、買い手の正確な判断が基本となります。もちろん犯罪を犯す人間の良心を呼び起こす未然の防止というものも必要です。

原則は開封の証拠を残すこと。これは包装により対応ができます。食品や医薬品は事故に繋がってしまいます。開封した証拠が包装の役割となります。開封性確認性、未使用性がとても重要な機能なのです。

一般の包装品は、密閉、密栓により未使用が保たれます。特に安全性を高めるにはイタズラ防止ラベルなどが必要となります。乳幼児用の医薬品包装は、簡単には開封、開栓ができないといった開封構造が必要です。開けやすい包装が求められる一方で、安易に開封できない未使用性も求められます。